とある土曜日の事、朝から太陽がサンサンと、そう、太陽だけにサンサンと眩しく照り付ける中、私は週1でお手伝いに行っているデイサービスに向かっていた。
近頃は、私をとても悩ませていた蚊柱もおさまってきて、堂々と川沿いを歩いていける。残念ながら、カモたちもほとんどどこかに移動しているが、一家族くらいはまだ残っている。
空からバサバサ羽ばたいて川に着水しようと 急降下したカモが、勢いがつき過ぎたのか、いつもより水位が低かった川に どばっしゃぁん!!と腹打ちして、びっくりした顔をしていた(ように見えた)
猿も木から落ちる、カモも川に腹打ちする。
ひよこたちと固まって泳いでいる一家もいて、なんだか微笑ましい。
デイサービスでのリハビリは、私の場合は一人ずつリハ室に連れてきて、できるだけゆっくりやるようにしている。10時過ぎると、全体の部屋ではみんなが輪になって、ボールや棒を使ってちょっとした座り運動をしている。その中に、棒を力いっぱい振り下ろして『えい!やぁ!とお!』と叩くお遊び?があり、そのときだけは何故か イヤイヤ拒否したり寝ていたりしていたじいちゃんばあちゃんも、ノリノリで参加する。なんだ、力余ってんじゃん…て思いながらも、それだけは楽しみにしているようなので 終わるのを待ってからリハビリ室に連れて行くようにしている。
端っこで運動がうまくできないおばあちゃんにお手本見せたりしながら待っていた時、事件は起きた。
『ガタタタッツ!!』
パソコン作業しているリーダーの女性が、急に慌てて横に飛び出し「虫、虫~(;゚Д゚)」と言った。
けっこう大き目な虫がリーダーの後ろにまとわりついていた。
いつも不思議に思うけど、なんで虫って一回たかるとなかなか離れてくれないんだろう…
リーダーが避けても避けてもまとわりついている。私は「後ろです、一回しゃがんでください」と言って、何か捕獲に使えそうなものを探した。
リーダーが少しスペースがある方に逃げると、その大きな虫は近くのじいちゃんの椅子の下を行ったり来たりした。少しお疲れなのか、高いところで暴れなかったのは幸い。
私はテーブルに置いてあったチラシでできたゴミ箱を持ち、虫に近づいた。そ~っ……『ばふっ。』じいちゃんの足の前に出たところをキャッチ。
体操のお兄さんが「おぉ~」と感嘆の声。そして「ふんじゃえー」と言われたが、私は無駄な殺生はしたくない。仮に踏んづけたとしたら大暴れして部屋中逃げ回るか、グロテスクな光景の後処理は逃れられない。なので…
「硬い画用紙みたいなものありますか?」と呼び掛けて、スタッフの一人が色画用紙を持ってきてくれたので、あまり硬くないから不安だったけど、虫が入ったチラシ箱の下に差し込み そ~っと持ち上げ、ドアの方にゆっくり進んだ。コロナ対策でドアは開いていたので、数メートルほど外に出て虫を放った。すぐ部屋に入り「一瞬ドア閉めまーす」と言って、ドアを閉め虫を見届けた。無事誰も傷つかず事件解決。
と思ったら、数分経たずに今度は「きゃ、くも、クモいる~」と、じいちゃんのトイレ付き添いのスタッフさん。
そんなすごい蜘蛛がいるのかと見に行ったら、なんだ アダーソンハエトリ君じゃないか。「大丈夫ですよ、ハエ取りグモ、益虫です」と言って またチラシ箱で捕獲し、外の安全な所に連れて行った。
大田区も、あそこは川沿いだし畑もあるし自然がいっぱいなので、ドア開けていれば虫入るわいなぁ。
そして何事もなかったように体操再開。
私がこうして虫の話ばかりすると、ものすごい虫好きなんじゃないかと引かれるだろう。以前も言った通り、好きとか嫌いとかではなく、怖いから調べたり観察したりするのだ。
そう、虫って怖い。人間なんか虫には勝てない。でもあいつらはやたら自殺願望があるからな、来ないで欲しいわけ。
相手の事を知るために検索していたら、そのうち ありじゃむさんとか、ヘビフロッグさんとか、たくさん虫動画を観るようになった。怖いのに、見たいのだ。んで慣れてきたのかも知れない。素手では触れないし、ガラス一枚隔ててくれていないと嫌だけど。
他の皆さんが虫慣れしていないようなので、とりあえずお役に立てて良かった。
私は東京生まれ東京育ちなので、基本的には虫と暮らせない。怖いことはずっと変わらないから、初めて虫と向き合おうとした時に『怖くない虫、かわいい虫はいるの?』という風に検索したことがある。皆さんも、もし虫に耐性をつけたければ試してみてほしい。検索して出てくる虫は『トラトリアブ』というポケモンみたいな虫だ。少しは見方が変わるかも知れない。
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